Theory発展

Degree on Black Keys

黒鍵から度を数える

「度って何?」のつづき。同じ鍵盤でも F♯ と呼ぶか G♭ と呼ぶかで数え方が変わる、「名前の選び方」で音楽のロジックが決まる話。

RIN

ね、前に「黒鍵から数えるときは F♯ か G♭ かで違う」って言ってたよね。同じ鍵盤なのに、なんで両方つかうの?

RON

あー、それね。同じ場所の鍵盤でも、文脈によって名前が違うんだ。

そして名前が違うと、数え方も変わる。

RIN

名前が変わると……数え方も?

RON

うん。度は 音名(C, D, E, ...)の文字 で数えるから、F♯ から始めるか G♭ から始めるかで、出てくる文字が違うんだよね。

RIN

ちょっと、実際にやってみたい。

F♯ から数えると

RON

じゃあ F♯ から 3度上を数えてみよう。

C4
D4
E4
F4
G4
A4
B4
C♯4
D♯4
F♯4
G♯4
A♯4
1
2
3

, , の3つで3度。答えは

RIN

うん、シンプル。F の次が G、その次が A だから。

同じ場所、G♭ から数えると

RIN

じゃあ G♭ から数えるとどうなるの?同じ鍵盤じゃないの?

RON

鍵盤は同じだよ。でも名前を G♭ にすると、数え方は G から始まる。

C4
D4
E4
F4
G4
A4
B4
C♯4
D♯4
F♯4
G♯4
A♯4
1
2
3

, , の3つで3度。答えは 。物理的には同じ場所だけど、書き方が違う。

RIN

えっ、ちょっと待って。 って、同じ鍵盤じゃないよね?

RON

そう、ここがポイント。F♯ からの3度上は A、G♭ からの3度上は B♭。最後の鍵盤も違う

数え方が違うから、当然の結果なんだけどね。

RIN

へえ……。名前で数えてるから、同じ場所から始めても別の景色になる。

Naming
に決める

黒鍵は名前を選んでから数える

F♯ と G♭ は物理的に同じ鍵盤。でも度を数えるときは、まずどちらの文字(F か G か)として扱うかを決めてから。文字が決まれば、上に積む数え方も決まる。

同じ場所なのに、度数が違う?

RIN

じゃあもうひとつ気になる。たとえば から と、 から って、同じ場所だよね?

RON

そう、E♭ と D♯ は同じ鍵盤。

C4
D4
E4
F4
G4
A4
B4
C♯4
D♯4
F♯4
G♯4
A♯4

でも、名前で数えると……

RIN

C, D♯ ……2つで2度?

RON

そう、C → D♯ は2度。増2度 って呼ぶ。

C4
D4
E4
F4
G4
A4
B4
C♯4
D♯4
F♯4
G♯4
A♯4
1
2

一方、C → E♭ は文字で数えると C, D, E の3つで3度。短3度

C4
D4
E4
F4
G4
A4
B4
C♯4
D♯4
F♯4
G♯4
A♯4
1
2
3

鍵盤の場所も響きも全く同じ。でも、書き方ひとつで度数が違う。

RIN

ええ、それは混乱する。

RON

これが「異名同音(いめいどうおん)」っていう現象なんだ。同じ音でも、文脈で名前を選ぶ。

スケールやコードのなかで「次の文字」がほしいときは E♭ を使うし、「半音上がった D」が欲しいときは D♯ を使う。状況で書き分ける。

RIN

鍵盤で見ると「同じ音」だけど、音楽の文章のなかでは「別物」って感じか。

RON

そう、それが近いね。鍵盤じゃなく 音名のロジック で度は決まるんだ。

RIN

なるほど、鍵盤だけ見てても答えは出ないんだ。

Enharmonic
同音≠ 同度

同じ音、違う名前 → 違う度

C → D♯ と C → E♭ は同じ鍵盤・同じ響き。でも前者は「増2度」、後者は「短3度」と、度の数も質も違う。度は鍵盤じゃなく音名で決まる。

RIN

そっか、鍵盤の「ここからここまで」じゃなくて、「この文字からこの文字まで」で考えるんだ。

Q&A

Qどっちの名前を使うかは、誰が決めるの?

曲のキー(調)や、その場の文脈で決まるよ。F♯ メジャーのスケールなら全部 ♯、G♭ メジャーなら全部 ♭、というふうに揃える。

Q「増2度」と「短3度」って響きは同じ?

ピアノで弾けば同じだよ。でも音楽の文章としては別物として扱う。マイナースケールでは「増2度」が出てきても「短3度」と書かない、みたいな使い分けがある。

QC♯ と D♭ も同じ?

そう、同じ。物理的には全部の黒鍵に2つの名前がある(C♯/D♭、D♯/E♭、F♯/G♭、G♯/A♭、A♯/B♭)。場面によって選ぶんだ。